作詞のネタ帳

日常や社会の出来事に対して自分の心に引っかかったことを元に作詞していますが、この心の動きを公開し、また作詞のアイデアとして使う目的で始めました。書いてる歌詞の意味がバレルかも(笑)

踊るマハラジャ その2

  カオス、日本語で混沌。

  インドのデリーには夕方に着いた。初日はそのままホテルに向かうスケジュール。空港は人も少なく無事添乗員にも会え、ターミナルの外に連れられてそのままホテルに向かう車を待つ。添乗員と他愛もない話をする。

  「車はスズキが多いねぇ」
  ひとまず知ってる知識をしゃべってみる。

  「ソウデスネ、アトタタネ」
  うん、知ってる。タタ自動車ね。

  「やっぱりインドは暑いね」
  「デモインドデハ、モットアツイトコロアルヨ。50度コエタトコロアルヨ」
  スゲ〜よインド。

  そうこうしているうちに迎えの車が到着した。空港を出て今日泊まるホテルがある街へと向かう。その道中でいきなりインドの洗礼を受ける。そう道路事情がカオスなのである。まぁ分かりやすく一言で言えば、マリオカート状態。道路には白線が引いてあるものの、誰もそんな線を気にしていない。左右どちらか前方に車一台入るスペースがあれば、線など無視して前へ前へと突っ込んでいく。日本で片側2車線の道路であれば、4車線で車が走っているような感じ。さすがに唖然とした。運ちゃんは隙あらばと前へ前へと先を急ぐ。あの特に急いでないんですけど…

  車の中で添乗員の営業トークが始まった。
  「アシタハドウシマスカ?」
  「電車乗って一人で観光行きます」
  「インド、ソレムリ
  「いや、大丈夫だよ」
  色々な国旅してるので、いつもガイドはつけないポリシー。
  「イヤ、ムリダヨォー
  しつこいなぁと思いつつ、丁重に断った。
  「ホントニー」
  だが彼の言っていることを翌日のデリーの散策で理解することとなる。インドを舐めてたなと、後から後悔するわけで。

  車は街中に入っていく。道路がカオスなら、街中もカオスである。人人人。道路を人が埋め尽くしている。その中を車はゆっくりと進みようやくホテルに着いた。

  ホテルでチェックインを済ませる。スマホを充電したかったので、ホテルの従業員にコンセントの型式を聞く。日本で事前にあらゆるタイプのコンセントに対応できる変換プラグを買っていたので、インドはどの型のプラグになるかを確認したのだ。プラグの型と挿し方も教えてもらう。さて充電を試みる。うーん怖い。インドの電圧は220〜240Vという知識がある分、いざプラグを挿し込むとなると躊躇する。見るからに見すぼらしいコンセントと高電圧。感電するんじゃないか?アイフォン壊れるんじゃないか?覚悟を決めて恐る恐るプラグを突っ込む。

 「パチン!!」

と 火花が出る。ビビった…どうもそういうもんらしい。

  ホテルは歓楽街の中にあり、着いた時間も19時ぐらいだったので、せっかくなんで外に出ることにした。そのついでに夕飯も取るつもりだ。しかしホテルへの道中でも見ていたとはいえ、いざ外に出てみると改めて人の多さと熱気に圧倒される。まるで夏祭りのような賑わい。これが日常。観光客なんて誰もいない。見る人全てインド人である。こういうのが今異国に来てるんだなぁという僕の気持ちを満たしてくれる。後から調べてみてわかったんだけど、このエリアは一般的なインド人が服を買いに来るエリアで、観光客が来るようなところではないとのこと。なので観光客目当ての客引きは一切なかった。若干かかってこいと警戒はしてたけど笑

  街をぶらぶらした割には、夕飯が食べれそうな店がなかったので、結局ホテルの隣のカレー屋さんで食べた。せっかくインドに来たのだからと、こだわってターリーと呼ばれる小皿に分けられた数種類のカレーを楽しめるプレートセットとタンドリーチキンを食べた。これから旅の間毎日カレーを食べ続けることになるというのに。

  次回は一人でのデリー探索。