作詞のネタ帳

日常や社会の出来事に対して自分の心に引っかかったことを元に作詞していますが、この心の動きを公開し、また作詞のアイデアとして使う目的で始めました。書いてる歌詞の意味がバレルかも(笑)

踊るマハラジャ その5

  TRUTH IS GOD

 

  「ツギドコイク?
  「ガンジーの博物館見たい」
  「ワカッタヨ!」

 

  ガンジーインド独立の父、非暴力・不服従運動は世界のほとんどの人が知ってるだろう。世界大戦という食うか食われるかの時代に真逆の非暴力・不服従の考え方で国民をまとめ、独立を勝ち取った偉人に深い感銘を覚える人も多いだろう。自分も映画のガンジーを見て、見終わった後ガンジーモードになった一人w

  僕を乗せたリクシャーは博物館に到着する。ガンジー国立博物館だ。


「チュウシャジョウ二 リクシャーオイテクルカラ サキニナカデミテテ。タダデハイレルヨ」

 

  博物館の入り口には壁に「TRUTH IS GOD」と書かれている。なんか神妙な気持ちになる。
  とは言えまぁ博物館なので他所と同じように、ガンジーの生い立ちや生前に使用されていた日常品などが飾られてる。おっちゃんも中に入ってきて、一生懸命ガイドをしてくれる。中をひと通り見終わった後におっちゃんはここのメインイベントを紹介するかのごとく僕を外に誘導する。


  「ゴールドノガンジーダ」


  まっ金金ガンジーさんの銅像。さすがインド。金が好きw
  おっちゃんに像の前で記念撮影を再度連写してもらいw ここを離れる。

 

  次はその近くにある、ラージガートといわれるガンジーが荼毘に付された場所だ。側には川がありそこに遺灰が流されたとのこと。大きな記念公園といった感じ。ガンジーを偲ぶところだけあって、インド人が多く来ている。神聖な場所は土足禁止なので、ここも靴を脱いで、有料で靴を預ける…
  広場の真ん中にシンプルなお墓のようなモニュメントがあり、みんなが祈りを捧げている。自分もお祈りをし、記念撮影でもしようとしていると、近くのインド人にやたら声をかけられる。


  「イッショニ シャシンニ ハイッテヨ」


  なんか人気者である。自分を中心にインド人が収まり記念撮影が始まる。こんな経験日本ではないだけに、ちょっといい気になる。後から調べてみるとインド人あるあるのようで、記念撮影で外人と一緒に撮りたがるらしい。なんだぁw

 

  ここを見終えると、リクシャーのおっさんは自転車で回れる範囲で観光名所はもうないと言う。なのでメシを食って駅まで送ってもらうことにした。その道中も街についてガイドしてくれる。話によると街は宗教によって地区が別れていて、ヒンドゥー教イスラム教、シーク教それぞれ通る度に教えてくれる。やっぱりその宗教の地区に入るごとに雰囲気が違う。例えばシーク教のエリアに近づくと、日本人がインド人を想像するとき真っ先に頭に浮かぶあのターバン姿のヒゲモジャの人ばかり。そうターバン姿の人たちというのはシーク教徒で、インド人がみんなこの格好をしているのではない。

  宗教ごとに住むエリアが違うというのは日本人感覚からするとなかなか想像がつかない。長い歴史の中でこうなることがベストだったんだろうか。角を一つ曲がれば異文化というのはなかなか経験できないことだ。

 

  賑やかな通りを走る。車、リクシャー、人で大渋滞。砂埃もひどい。こんなんだから車とおっさんのリクシャーがぶつかる。おっさん激昂し何か言ってる。車の運転手とにらみ合いになる。でもそれで終わり。ぶつかってもめんどくさくない。潔いw

 

  こうしておっさんの馴染みのカレー屋で昼食を食べ、駅まで送ってもらう。お礼にチップをはずんだらおっさんは満面の笑みだった。こっちまで嬉しくなっちゃう。いやよくやってくれました。僕の片言の英語でも割と会話は続き、僕が飲み物を欲すれば細い路地の中、道幅ギリギリでUターンして飲み物屋まで戻ってくれる。感謝しかないなぁ。どうせ無愛想であまりサービスしてくれないだろうと想定してただけに余計。

 

  インドでは宗教や言葉や文化が違う人々がひとつの国に大勢住んでるということは頭では理解していた。しかし実際にこの目で見てみると、思ってた以上に人間濃度が濃いし、宗教色が強いし、テンションは高くないんだけどエネルギッシュだし、遠慮がちな典型的日本人としては躊躇しっぱなしだった。文化や信条も違うインドの人たちをガンジーさんはよくまとめたなぁと。ホントすごいです。インド人が今でも尊敬してる人。

 

  その後その足でニューデリーに行ったんだけど、都会だけにやたら悪そうな人に声をかけられる。仕方なく入った観光案内みたいなところでは、軟禁されそうになるし散々。いいことも悪いことも含めて旅はこんなもんか。

 

  翌日はいよいよガンジス川、向こうでの呼称ガンガーに向かう。そしてこの旅で一番心配している寝台電車での移動。これもやっぱり大変でして…