ボヘミアンラプソディー
「クイーン」の映画が話題になっているので見に行った。
なんか評判が良さそうだし、クイーンのメンバーが監修していることもあり期待感もあった。と同時に伝記物は外れが多い印象もありどうなのかなと不安もあった。しかし開始ど初っ端に鳴る映画会社のファンファーレ的な音楽が、ブライアンメイのギターに置き換わってたことに気づきテンションが上がる。ファンタジーのような映像とストーリーに引き込まれ、最後のライブシーンでは鳥肌が立ってしまった。物語に伴う陰鬱さもあるが、やはり魔法がかかったかのような演出と高揚感を与えるライブシーンは、よくある伝記物の映画とは一線を画していた。
その映画のライブシーンを見ていて、学生時代の記憶が蘇る。
「あっ、エ~ロって言っとるw」
フレディーがライブ中に客と行うコールアンドレスポンス。フレディーが叫び、観客もそれに答えて叫ぶ。
昔初めてクイーンのライブを見たときに、「エ~ロ」と聞こえてきたのがおかしくてしょうがなかったw
実際には「エーオ」って言ってるようだが、当時の僕の頭に入っていたフレディーに対する少ない情報、中でもバイセクシャル(初耳、なんだそれ?みたいなw)、エイズ公表(あまりにもセンセーショナル)、そしてあの髭面とタンクトップからはみ出す胸毛という容姿のキワモノ感。それと相まって、あの叫びがそのように聞こえ、笑えてしょうがなかった。
そしてそれ以来フレディーが気になってしょうがなない。
「エ~ロっ」
頭から離れない。そしてそれがきっかけとなりクイーンのアルバムを買ってその音楽を深掘りしていくことになったわけで。そんなことをこの映画を見て思い出した。
若いうちに違和感を覚えるものや、理解ができない高尚なものを経験しておくことは、その後の人生の視野を広げ豊かにしてくれると自分の経験的にも強く感じる。ただこれを受け入れることができるまでには、少し時間がかかる場合が多い。頭がそれに慣れるというのか。どのように?それはその感じた違和感が繰り返し頭の中でループしてしまうことだ。日常生活のふとしたタイミングで頭の中でループする。授業中、登下校中、バイト中、クソしてても。なんでそうなんだろうってw 頭の中をグルグル回る。そしてふと気付けば虜になっている。
そんなアーティストはクイーンの他にも何人かいる。
デビッドボーイ
奇抜な声と格好。そして時代ごとに全く違う音楽性。特に低音で歌うようになってからのボーイが入り口だったので、あの囁くような歌い方が気持ち悪くてしょうがなかった。ただその気持ち悪さが心地よく感じるようになるとは。ドリアンフルーツのような存在w キワモノ界の王様です。
スライ アンド ザ ファミリーストーン
最高傑作と言われる「暴動」というアルバムが理解できなかった。あのスカスカで退廃的なサウンド。サウンド的に派手なバンドばかり聴いてたので、そのやる気も高揚感もないダウナーな世界観は違和感でしかなかったが、段々それが心地よくなり…
ザ スミス
とにかくボーカルのモリッシーの声に慣れてしまえばw こんな唯一無二のサウンドを作り出すバンドはなかなか無い。
レッドホットチリペッパーズ
名前が出始めた当時は、キワモノバンドの代表格。自分がのめり込むきっかけの曲は「GIVE IT AWAY」。この曲もキワモノっぽい曲だが、プロモのあの何かの呪術を行なっているかのような踊りも相まって頭から離れなかった。おちゃらけと内向さが同居しているのが好き。
いずれの方々、キワモノさが出てるアーティストである。そしてレジェンドである。飛び抜けたキワモノ感は心に引っかかる。それはどこかシンパシーを感じるからだろう。自分が自分の中で押さえつけている何かと。中途半端な何かと。それを表現できてるのはスゲーなぁと。
分野が違うけど、太宰治が人気あるのもそうなのかもなぁ。客観的に見たらあんな駄目な人いかんよねw 普段の生活では駄目な人は敬遠するのに。飛び抜けてると魅力に感じるというw もちろん自分の大好きな作家である。