作詞のネタ帳

日常や社会の出来事に対して自分の心に引っかかったことを元に作詞していますが、この心の動きを公開し、また作詞のアイデアとして使う目的で始めました。書いてる歌詞の意味がバレルかも(笑)

Maniac

たまに一見特徴のなさそうな感じの人と話をしていると、ある瞬間からこの人スゲーに変わる人がいる。それはマニアの方。そしてそのマニアの人の語りたい魂に火を点けると、話は自分の知識が耐えれるか自信がないくらいディープな世界に入って行くことになる。


最近立て続けにマニアの人と話す機会があって、いずれも少しだけ話して要件を終えるつもりだったが、平気で3時間越えの超ロングな会話となってしまったw  しかし決してマニアの人のせいで話が長くなってしまったわけではない。自分が悪い。それは火にガソリンを撒くかのようにマニアの人がよくぞ聞いてくれましたという質問を自分がするからw  でも聞きたかったことを全部教えてくれるので楽しかった。


自分は決してマニアではない。性格的にもマニアにはなれない。大雑把だし、蒐集癖はないし、片付けできないし、マニュアル読まないし、感覚的だし…マニアの人は多分この逆の人間である。そんな僕でも未知の世界への憧れはある。新しい刺激に触れたい。そんな世界を雄弁に語ってくれるマニアの人は話をしていて純粋に楽しい。今まで疑問に思ってたことを質問する。すると明確な回答が返ってくる。すっかり腑に落ちる。バラバラだった知識がつながることにより、さらに疑問が湧く。この人なら答えてくれると更に質問する。その質問を待ってましたかと言うように解説が入る。以降このループである。


今回話したマニアの人はエンジニアでは
音響
音楽のミックスマスタリング
楽器修理


趣味では
オーディオ


いずれの人達も僕の無知な質問に対して快くなんでも答えてくれた。特にエンジニアの人達はそれを生業としてるだけあって、知識と言うよりは実務的な観点で話してくれる。時に知識は実務ではそのまま使えないことがある。知識は実際の作業では使える条件が伴わないときがあり、その場合は別の方法を選択しなければならないことが多々あるからだ。それを知らずに知識を盲信してそのまま使うと結果として酷いことが起こる場合がある。そういう経験的な部分をなぜダメなのかを踏まえて教えてくれるので、非常に為になる。

 


ただ世の中僕みたいにダボハゼな、なんでも聞きたがりの人間ばかりでない。自分のことを話したい人の方が多数派だろう。そして厄介なのは似たジャンルであっても立場が違えば意見が食い違うことだろう。今回こんなことがあった。


オーディオマニアの人と話をした時のこと。実際に音を聞かせてもらいながら、話はどうしても機材へと行き着く。


音楽の作り手が聞かせたい本当の音を聞く為にはレコードプレーヤー、アンプ、スピーカーそれぞれいいもの買って聞かないと。こんないい音で聞いたことないでしょ。また機材の組み合わせによって音も変わってくるし。」


実際に聞かしてもらい感動した。音の綺麗さ、広がり、音圧、今まで気づかない音までも聞こえたような気がした。僕のショボいカーステとは大違いだ。僕も欲しいなぁと本当に思った…


その1週間後、音楽のミックスマスタリングの仕事をしているエンジニアの人と話をした。自分も自作の曲をミックスとマスタリングを行うが、いつも同じ問題で悩まされていた。それは曲をカーステで聞いて絶望する問題であるw  自分の部屋のミックス専用の特殊なスピーカーで完璧に仕上げた自分の曲が、場所を移して車のスピーカーででかけてみると、あまりの音のショボさに今までミックスにかけてきた苦労と時間が全て台無しになったと絶望するのである。これは割とミックスやってる人ならあるあるな話らしい。そこでエンジニアにこのことを聞いてみる。


「ミックスは一般人が聞くであろうショボい環境でまともに聞こえるように調整するのが大事なんですよ。だからプロはスタジオにショボい音がするスピーカーをわざわざ置いてそいつでも調整している。部屋のミックス用スピーカーのみでいい音に調整しちゃうと、その部屋のスピーカー専用の音楽になってしまうんですよ。だから一般に売ってるレコードやCDの音はショボいスピーカーに最適な音なんです。」


なるほど。すごく腑に落ちた。と共に新たな疑問が湧く。


「あのー、先週オーディオマニアの人と話したんですよ。オーディオ機材にお金をかけることによって曲が持ってる本来のいい音がすると。でもさっきの話だとショボいスピーカーで最適になるように音楽が調整されてるんですよね?機材をいいのにすると音は良くなるんですか?」


「わかりやすく言うとですね、オーディオ機材はラーメンで使う胡椒みたいなもんなんです。」


「こ、こしょう?」


「食べる前にパラパラかけるみたいな。なくてもいいし、かければより美味しくなる。これをオーディオマニアの人に言うといつもケンカになっちゃうんですけどね。」


胡椒ねぇ…


そりゃケンカになるわな。何十万もかけてるものが、胡椒と言われりゃ…

 

この話はヴィンテージの楽器でも言える。一般人ではわからない何か違う部分を楽しむ話のように思う。多分音の周波数を専門的に調べるとミキシングエンジニアの人が言う通り、特に音が良くはなってはいないんでしょう。逆に本来の音から劣化してる説もある(実務してる人は現実的なタイプの方が多い気がしますなぁ)。
でも僕は信じたい。確かに何か違った、人の耳に心地いいオカルティックなその何かを。僕自身その胡椒の部分にロマンを感じるタイプなので。人生にロマンを振りかけ続けるぞ!