作詞のネタ帳

日常や社会の出来事に対して自分の心に引っかかったことを元に作詞していますが、この心の動きを公開し、また作詞のアイデアとして使う目的で始めました。書いてる歌詞の意味がバレルかも(笑)

Take it to the limit

「冒険野郎 マクガイバー」というアメリカの連続ドラマをご存知だろうか。

『世界中の悪と戦う「フェニックス財団」のトップエージェントであるマクガイバー。彼の最大の特技は陥った危機を手近な材料と豊富な科学知識の応用で切り抜け、数々の事件を解決する。』(ウィキペディアより)

結構昔のドラマなんだけどこれ大好きで、今回はピンチをどのように切り抜けるのかなと、固唾を呑みながら見てたことを思い出す。冒険野郎という響きもいいw

さてこのドラマの最大の見せ場はピンチの際に主人公の持ってる知識や経験を最大限に使って切り抜ける場面である。武器は使わず、今自分が持ってる道具で身近にあるものを利用して脱する。その際のうんちくっぽい説明がいい。「こんなときは○○が役に立つ」みたいな。理科の実験を見てるような感じで教養にもなる。
で今回自分が強調したいのは、このドラマの主人公マクガイバーとは限られた状況の中で卑怯な手は使わず、知識と経験だけを活かして最大の効果や結果を出せる男なのである。

 


最近ラジオ番組でトモ藤田というアメリカで活動しているギタリストがゲスト出演してた。音楽の名門校でも講師をしてるぐらいすごい腕前の人。そんな人がlimitationという言葉を使っていたのが印象に残った。その人の限界がその人の個性になるということ。大体普通の人は限界が見えたとき、欲張って何か今までやったことのないこと、例えば流行りのものを導入したり、小難しいことを足したりする。こうやって余計なものを足すことによりその人が作るものが他の人と変わらない均一化されたものになっていくと。そうじゃなく自分が持ってる能力や技術を100%使い切ってから更にもう一つ向こうへの世界の壁を越えれるかどうか。そんな人が孤高の天才なんだろう。そのためには自分というものについて考え抜かなくてはならない。

この番組の話からふと思い出したのが冒頭のマクガイバーの件。限界の中、自分の持ってる能力だけで解決する男。ランボーやジョンマクレーンとは違う。彼らは敵の武器を奪うは、派手にやりすぎるはw

 


最近便利になりすぎて、すぐなにかに頼ってしまう。わからないことがあればググるし、お金を使えばいくらでも逃げ道がある。音楽で言えば楽器が弾けなくても、サンプリングを使用して簡単に曲を作ることができるし。これはこれで素晴らしいことであるが、なんかあまりにも簡単に答えが得られてしまい、考えて答えを導き出すというプロセスをしなくなっている。それは自分以外の人もそうなんだろう。ここ数年目にしたり耳にするものは均一化されているように感じるし、なにを買っても一緒だったり、過去の偉人達のアイデアの寄せ集めのようだったり。

バンドやってると、こいつが自分の理想のプレーしてくれたらなぁとか、今流行りのプレーしてくれたらなぁとか、あるあるな話だと思う。でもこれこそが作品の均一化を招くんだろうね。自分が耳にしていることをそいつに望むということは、その耳にしたものに近くなることを意味する。そうじゃなく今あるものだけで考え尽くす。それがこのバンドでしかできない味になるんでしょう。バンドの面白みはケンカにあるとw

自分というもの、また自分と関わってる人や物。それらを味わい尽くす。そしてその中で考え抜いてうまく調理する。情報が簡単に入ったり、なんでも安く買える今の時代だからこそ、大切なことかなと。