作詞のネタ帳

日常や社会の出来事に対して自分の心に引っかかったことを元に作詞していますが、この心の動きを公開し、また作詞のアイデアとして使う目的で始めました。書いてる歌詞の意味がバレルかも(笑)

風は吹いている

「AKB総選挙で指原3連覇、まさかの結婚報告」

先日名古屋栄のHMVに行った。店のレイアウトが変わってる。いつもの場所に洋楽コーナーがなかったので、どこかなと探し始めて唖然とした。洋楽コーナーが縮小されてる!!!
その分JPOPのコーナーとファンイベントスペースが広めにとられてる。
「確かに最近洋楽勢いないしなぁ。洋楽だろうと邦楽だろうと昔ほどの差もないし、JPOPのレベルもあがってるのでわざわざ洋楽聴く必要もないのかなぁ。前インド行った時もインド人は若い子でもインドの音楽しか聴かないと言ったもんなぁ。毎日カレーしか食べないとも言ってたし笑…」

そしてその数日後、
「おっSpotify今なら3ヶ月100円でプレミアムが利用できる。入りたかったからちょうどいいや。スマホに入れよう…
げっ何これすごいじゃん。こんなのだったらCD買わなくてもいいじゃん…」
知ってたのに今更驚いた。まさに百聞一見に如かずだった。


これが僕の最近の印象に残った出来事である。AKB、HMV、音楽定額制がリンクしてることを嫌が応にも気付かされた。
そういう時代であることは、頭では理解して分かってるつもりでいたが、実体験すると案外驚くもんである笑

今回身を以て思ったのは、音楽を買うという人が極端に減ってるということ。CDだろうと配信だろうと。HMVがCDに特典つけてモノを売るという手法を取ってるアイドルを押すのは、経営戦略として当然。いくら外資のCD屋だろうと生き残る為には売れるモノを優先的に売る。

しかし音楽定額制。音楽購入する気完全になくなりました。だって新譜も普通に聴けるんだもん。オマケにプレイリストというDJライクなお勧めまである。アルバムの存在意義すら危ぶまれるんじゃないかと。

このように定額制は聴く側にはいいことまるけだが、アーティスト側にとっては死活問題のように思える。テイラースウィフトみたいな影響力の強い人が、定額制に異を唱えるということもあったが、時代の流れに抗うんじゃなくて、アーティスト側も変わっていかなければならないんだろう。今は何せスマホ中心の時代だから、そのプラットホームに合わせたやり方をするか、それとは全く関係のない部分に価値観を持たせるか。

そう考えると、今後音楽というのは本来あるべき姿に戻るような気がする。音楽を売るんじゃなく、お客さんの前で演奏してお金を稼ぐもしくはパトロンについてもらう。アーティストと聴く側の距離が近くなり、アーティスト側もやり方によっては売れ線で妥協しなくてもよくなる。よく考えてみればこっちの方が正常であり、レコードやCDが売れてた時代が特殊だったのかもしれない。

僕の大好きな映画監督であるデビッドリンチが映画監督を引退するというニュースがあった。今後は有料チャンネルのテレビドラマに活動の場を移すようだ。理由は興行がうまくいく作品を求められるからで、素晴らしい映画の多くが興行がいいわけでなく、興行がうまくいってるような映画は自分はやりたくないと。リンチ監督のようなカルトの要素を持ってる人なら、この選択は当然だろう。興行者が望む作品より、自分が望み支援者も望む作品を作れる環境の方がいいに決まってるから。

このように映画だけでなく、音楽・テレビ・芸術・本など規制などの影響で無難で予定調和だったり、緩いものが多い。過去規制があるが故にそれに反発して新しいものが出てきた側面はあるが、今は規制にプラスして売り上げというものが至上とされる以上、刺激的な新しいものが出てくる可能性は低い。でもメジャーなプラットホームを選ばなくても活動していける道が開ければ、面白いものが出てくる可能性がある。しかもグローバルレベルで。

今の音楽界への変化はアーティストにとって、一見不利に見えるけど、選択肢が増えたのも事実。エンターテイメントの側面でみれば、興行というものは必要だし、今後も存続していくだろう。そして芸術という面での音楽で見れば妥協せずに創作ができるというのはアーティストにとっては好ましいこと。

なんか予期せず語っちゃいましたが、今の変化はアーティスト側も聴く側も選択肢が増えてるということ。まだ自分のバンドはその土俵の上にも上がってない立場だけど、妥協せずに自分らの得意としているカードを武器に創作が続けていけるよう邁進したいと思った次第です。変化に気づいて、戸惑うのでなく一歩を踏み出す勇気は必要ですね。